Health ドキュメンタリー -緊急手術編 Part Ⅱ-
車椅子で運ばれて手術室のドアが開くと、一気に緊張感が高まります。思わず「うわぁ、本格的ですね」と看護師さんに言うと、「手術ですから、当たり前です」と、バシッと言われました。
ベッドに寝ると、足と胸を固定され、手術中に頭を動かしてはダメだと何度か言われるも、周りは手術着を着た人達がバタバタしていて、気になっちゃって耳に入らず。
顔には布が被せられ左目だけが出ています。その目を大きく開いた状態で固定し消毒するのですが、すごい勢いで500mlくらいの消毒液を目の中に入れ、ジャバジャバ洗うとサッパリ。
いよいよ、手術がスタートします。まずは麻酔。針が見えドクターが「はい、打ちます」と、目のすぐ下に打つのですが、これが痛い痛い「いだぁぁぁ、マジでイタイです……」と言っても全員無視で何も変わらず。
2回ほど棄権しようかと思いましたが、ギリギリのギリで耐えた感じです。
元気よく看護師さんが、「5cc入りました」と言っていましたが、それが多いのか、少ないのか、とにかく痛い!
その後は目をグリグリ、ガチャガチャ、やってるのが見えるので、なんともいえない気分のまま時間が過ぎていきます。
途中、どこかの箇所があまり麻酔が効いてなく、そこを触ると針で刺されている感じの痛みが走り、「ムリムリムリ、そこは痛いですぅ」と唸るも、「ここは麻酔が効いてないんですね」と、よくあることのようにあっさり却下されます。
寝ていると幾度となく「あとどれくらいですか?」と聞きたくなるのですが、聞ける雰囲気ではなく聞けないんです。我慢を続けながら、やっぱり聞こうかな? やめようかな? もう少し耐えられるかな? 無理かな? と自分をごまかしごまかし、羊を数えてみたり、お店の売上を計算してみたり、寝ようとしても目が開いてるので全然寝れないし、時々痛いし。
この時間を耐えるのは、なかなかの修行です。
手術が終わってベッドに戻り、とりあえず2時間くらい寝て、夕食を食べたらそのまま寝てしまいました。
次の日の朝は睡眠のおかげで身体はリカバリーされ、かなり良い調子。
看護師さんが来て眼帯を取ることに。これで少しでもぼんやり見えていれば手術は成功、全く見えないと失敗と聞かされました。
めちゃくちゃぼんやり見えてます。
物が二重、三重になっていますが、見えているので成功!診察でも、異常なし。膜は綺麗に取れていました。
次の日になると、かなり見え出し、復活してきてます。他の部屋の患者さんを集めて、持ってきたBLUE SIXのコーヒーを皆さんに振る舞い、コーヒーやチョコレートの話をしていると、「うるさいからいい加減にしなさい」と婦長さんから叱られるくらいにまで回復、ヨシッ。
日常生活に支障がなくなるには、3ヶ月くらいかかると言われ少々凹みましたが、骨折だと考えれば、1ヶ月はギブス、2ヵ月目にリハビリして、戻るのに3ヶ月ですから、そんなもんかな? と。
手術してみての感想は、人間の修正能力はすごいなと実感。左目は上手く機能していないのですが、たぶん脳が左目の機能していない部分を補って、見えるように補正している感じがするのです。
手術で切ったり縫ったりしているので、目の奥に痛みや違和感はありますが、視力に関しては脳のコンピューターが自動補正を計算しているんだと思います。たぶん退院して3〜4日あれば見えるようになるんじゃないかな?
すごいですね、人間は!