Vol.10

Project Top 100 : プロテニスプレイヤー内山靖崇

BLUE SIXには、プロスポーツ選手の育成をメインとした、BLUE SIX Training Club (B6TC) とうスポーツチームがあります今回は、そのB6TCで活動するプロテニスプレイヤー、内山靖崇選手のインタビューです。

Project Top 100 

元世界ランク78位、世界ランク100位を切った数少ない日本人プロテニスプレヤーの一人である内山靖崇選手22年、23年シーズンは怪我に悩まされ、ランキングを落とすも、復活かける想いと、現状をお聞きしました

内山)昨年末からテニスの調子は上がってていて、テニスは良くなっています。5大会中、3大会でBest 4に入っているので、良いスタートが切れたと思っています。身体さえ持てば、もう少し勝てる感触は持っています。

安達)良いスタートが切れているのですね。内山選手にとって、テニスが良い、とうのはどうう状態なのですか?


内山)スムーズになるのです。自分の思った所に、思っているボールが打てている感じがあるので、動きもスムーズになり、試合全体の流れがスムーズになります。そうなると、ラリーも作戦も組み立てやすくなるので、ポイントを取られたとしても納得がいく形が多くなります。

そうでない時には、オフバランスで打たされることが多くなるので、身体にも負担がかかり、怪我にもつながりやすくなってしまいます。

安達)その良い状態は、いつ頃から感じていたのですか?

内山)きっかけは昨年の秋、上海マスターズの予選決勝です。負けてしまったのですが、すごくレベルの高い試合が久しぶりに出来た感じがしました。そこから次のジャパンオープンで強い選手に勝つことができ、このパフォーマンスを出せるならまだまだいけるな、とう感覚を掴めました。

安達) 秋の上海がきっかけ、だったんですね。

内山)結果が出る前は、何か「予兆」みたいなものがあるのです。負けたけれども良い試合ができたとか、練習でも良い感触が長く続いているとか。

安達)なるほど、なるほど。今までにも「良い予兆」があるようなことは、何度か経験されてきているのですか?

内山)ありますね。そういう試合があります。メンタル的にものすごく苦しい試合を、がむしゃらにでもしがみついて、泥臭くても勝ち切った時に、プレッシャーから解放され、その後の試合から力が抜けて上手くき出すことがあります。

安達)面白いです。

内山)毎年シーズン最初1月、2月はあまり成績が良くないのですが、今年は良いスタートが切れています。グランドスラムの予選が見えてているので、そこに戻れる感触を今は持てています。

安達)そうですか、それは嬉しいNewsですね。
長いシーズンなので、良い感触がなくなったり、悪いリズムに入ってしまうこともあると思いますが、「悪い予兆」みたいなこともあるのですか?

内山)僕の場合、良い感触がなくなるのは、ほとんど怪我が原因なんです。試合をリタイアすることになったり、長期離脱してしまったり、と。
2019年にキャリアハイを更新し、70位台に入っ
たのですが、その年の最後にあったデビスカップ、フランス戦で指を骨折してるんです。ダブルスの試合中にボールを追いかけて電光掲示板に指をぶつけ、そのまま無理をして最後まで試合をやったことで、オフに入っても数週間テニスができず、練習を再開しても怪我をかばってまた別のところを故障してしまうとう。悪いリズムになってしまいました。

安達)あの試合は確か、その年の世界最強ペアが相手でしたよね。

内山)そうなんです。ツアーファイナルでも優勝しているペアで、かなり良い試合でチャンスだったので、途中でやめるわけにもいかず……。

安達)なるほど、やはりアスリートは怪我をしない身体作りや、怪我と上手く付き合っていくことが求められるのですね。

内山)そうなりますね。

安達)さて、日本の若手選手、ジュニアの時代に活躍し、プロに入ってきていますが、フューチャーズ大会(下部大会)を抜けられずに苦しみ、そのまま停滞してしまう選手も多く見ます。
BLUE SIX Training Clubにも若手選手がいますが、彼らはどうやって、厳しいプロの世界で勝ち上がって
けばいのでしょうか?

内山)一つ思うのは、ジュニア時代に強かった選手がプロの世界に入ってます。自分の年代の1位、2位の人なので、それまであまり負けた経験をしていない、勝つのが当たり前だった選手がプロの世界に入り、思うように勝てず、現実をうまく受け止められないことがあると思います。

安達)現実を受け止められないとは?

内山)実力不足です。まだプロの世界で勝てる実力が備わっていないとう現実を、受け入れられないのです。この世界で上に行きたいのならば、ここからハードな練習を毎日繰り返していかなければ、フューチャーズ(下部大会)を抜けられないのに、それを素直に受け入れることができなかったりします。
自分では、すぐにフューチャーズは抜けられると思っているのですが、現実はそう甘くないのです。力も経験も違い、年齢だって15歳上の選手と戦うこともあるのですから。

安達)そうですよね、皆必死ですしね。内山選手は若手時代どれくらいハードな練習をしてきたのですか?

内山)僕はかなり厳しい練習を積んできたと思います。とにかくコーチが厳しかったので、誰よりも練習してきたと言ってもいいと思います。

ある時、僕がまだ下部大会に出ている時です。遠征中の試合が終わってコートで練習してるに、コーチから「この大会に出ている選手の中で、将来100位に入りそうな選手はいると思う?」と聞かれたことがあります。

安達)なんて答えたのですか?

内山)いないと思うと答えました。それは遠征先で試合が終わって、コートに戻りヘトヘトになるまでボールを打っているのが、僕だけだったのです。僕の体格があっても、外国人の選手にパワーで対抗するのは難しいです。
彼らよりも技術を磨き、コートの中を最後まで走り続けられる体力が必要なのです。そのためには誰よりも練習するしか方法がないのです。
現代的な効率のい練習方法ではない、と思うでしょうが、実はトップ選手は相当ハードなトレーニングを積んでいますし、体格のハンデがある日本人はやり切るしかないと思います。

安達)プロになるには、覚悟が必要ってことですね。
内山選手のコーチである増田さんに話を伺った時に、プロでは、ジュニア時代の成績は全く関係なく、プロになってからどれだけ努力を続けられるかだと言っていました。

内山)本当にそうだと思います。
若い選手には、コーチや僕ら先輩の言ってることを素直に受け入れ、誰よりも練習してほしい。僕は、彼ら若手のお手本になるべき立場の現役選手なので、「ゴールへの歩き方」を、行動で見せてきたいと思っています。

Other stories

Mail Magazine

UNCOLORED WEEKLY MAGAZINEは、クラフトカルチャーを軸に、世界中を独自取材し、次の時代のヒントを見つける為のカルチャーマガジンです。毎週末にお届けします!