Makers story〜新しい時代のモノ作り〜Paris sweets特集 2025
Paris sweets特集 2025
今回のParisでは、チョコレートブランドとパティスリー、それぞれ対照的な2店舗をピックアップし、インタビューしています。歴史も想いも製品も、経営方針もまるで違うブランドが、世界の食の中心地Parisで、どうやって顧客の支持を得ているのか、他店との違いをどうやって作り出しているのか、見ていきたいと思います。
CHAPON1号店
まずは、Bean to barチョコレートの老舗 "CHAPON(シャポン)" から。CHAPONは、1986年にパリでパトリス・シャポン氏によって創業されました。
Mr.シャポンは、幼少期から家のキッチンで、チョコレートを作っては近所の人に販売し、そのお金で機材を購入する、生粋のチョコレートメーカーでした。バッキンガム宮殿の専属パティシエ・グラシエとして活躍し、その後CHAPONを立ち上げます。彼の独創的なアイデアでチョコレートムースを大ヒットさせ、カラフルなパッケージのタブレットは、見ていても楽しいブランドの代表的な商品になっています。
彼のお店作りは特徴的で、ターゲットはファミリー。アットホームなウッディな雰囲気を全面に出し、大皿に入ったムースがお出迎えします。
ファクトリーラボには、100年以上前に作られた大型のアンティークマシンが所狭しと置かれ、Bean to barチョコレートを昔ながらの製法でゴリゴリと作っています(カッコ良い!)。ここで生まれる、ホワイトチョコレートでコーティングされた卵形のプラリネ・アガーツは子供達に大人気です。
彼は、4年前にブランドを売却し、イタリアに引越してオリーブ栽培を始めました。今でもブランドとは良好な関係にあり、商品作りのアドバイスを送っています。CHAPONは、新しい時代に入りました。新たな経営陣は生産量を増やし、店舗数を拡大し、中東やアジアへも出店拡大すると話しています。
これはまさに、数年前に投資家が入ったアラン・デュカスと同じ回収モデル。僕の大好きだったCHAPONは大きく変化していますが、それが吉と出るか凶と出るか、見守っていきたいと思います。
