Makers story〜新しい時代のモノ作り〜
冷たさと熱さが共存する大地 アイスランドへ
9月末から、アイスランドに撮影に行きます。フォトグラファーとして何を大切にしていますか?という問いには、“ロケーション”と答えることが多いです。ロケーション選びでほとんどが決まり、あとは体調を整えて、装備や機材の準備を万全にすれば、80%は成功すると思っています。
だからこそ、大切になるのはリサーチ。今回は、リサーチに10ヶ月をかけ、「冷たい自然」と、「熱い大地」が、ひとつの島に共存している『アイスランド』に決めました。リサーチを進めるほど、青く澄んだ氷河湖や氷の洞窟、轟音を響かせる滝、現在噴火中の火山と、かなり面白くなりそうです。
Photo: Visit Iceland / Icelandic Tourist Board
最初に向かうのは、シンクヴェトリル国立公園。ユーラシアプレートと北アメリカプレートがぶつかり合った、その裂け目である「ギャウ」を地表で見ることができる場所です。裂け目の中にドローンを飛ばし、スピード感とスリルのある動画を収める予定です。なんとこの2つのプレートは、地球を一周回って次は日本のフォッサマグナで出会うそう。アイスランドと日本が地球の裏側でつながっていると考えると、自然のスケールは大きいですね!
さらに今回は、火山の内部にも潜入する予定です。できれば、ぐつぐつと流れ出るマグマの様子を撮影したいのですが、噴火活動が起こるかどうかは、火山のご機嫌次第。また、オーロラが見られる可能性もあるので、チャンスがあれば撮ってきます。
Photo: Visit Iceland / Icelandic Tourist Board
そして今回の大きな挑戦のひとつが、氷の撮影。氷の洞窟に、氷河湖。青く透き通る巨大な氷を、どうダイナミックに表現できるか。これまで南米やアフリカ、アジアのジャングルなど、熱い地域が中心でした。寒い地域での撮影は初めてなのです(ドキドキ)。
僕の撮影スタイルは、特殊なLEDライトを搭載したドローンや、リモート撮影専用のラジコンバギーなど、最新のロボティクスを駆使するというものです。今回のアイスランドロケでも、FPVドローンや夜間用の機材を持ち込み、火山や氷河の撮影に挑みます。
過去の撮影で使用したドローン機材
リサーチだけでは目にすることのできない、滝や大地の割れ目、氷やマグマ、冷たさと熱さ。相反するものが同居するアイスランドで、初めて見る地球に出会えることを、楽しみにしています。現地の撮影の様子は、写真家 Tateyuki AdachiのInstagramでもお届けしていくので、お楽しみに。
