Health Documentary:身体を変える、リアルストーリー
2025年1月からスタートした「自分の身体を理解する」ための特集は、1月の血糖値から始まり、前回は「糖質」、そして今回は「タンパク質」と「良質な油」についてお伝えしていきます。
朝起きてもダルさが抜けない、食事後に眠気が襲ってくる、なんとなく身体が重い、このような状態は「糖質疲労」が原因の可能性が高く、そこから抜け出すには、糖質を制限するのがよいとお伝えしました。では、糖質制限中に何を摂ればよいのでしょうか?まずは、我々の間違った認識を修正するために、アメリカの糖尿病と肥満の現状から見ていきましょう。
過去10年間でアメリカの2型糖尿病の有病率は約20%上昇し、2022年には成人の約12%が糖尿病を患っています。また、成人の5人に2人以上が肥満状態にあり、未だに深刻な状況です。
アメリカでは、1970年代から「低脂肪=健康」という考え方が広まり、脂肪を避け、糖質を多く含む食品が推奨されてきましたが、この方針が逆効果で、糖尿病や肥満の増加につながってしまったのです。2015年、米国農務省と保健福祉省が定める「食事ガイドライン」では、脂肪摂取量の制限が緩和され、糖質を減らすことが推奨されるようになりました。この大きな変化は、「良質な脂肪こそ健康の鍵である」という考え方を反映しています。
大切なのは、
「低脂肪」ではなく「良質な油」、「糖質」ではなく「タンパク質」だったのです。
ではなぜ、「タンパク質」と「油」が必要なのか?
血糖値を安定させるためには「糖質制限」が有効ですが、体の中に少なくなったエネルギー源を補うには、タンパク質と油を積極的に摂る必要があります。タンパク質は、筋肉や皮膚、ホルモンを作る大切な栄養素です。また、糖質を控えている場合はエネルギー源となり、さらに、食後に「満腹ホルモン」を分泌させることで、食べ過ぎを防ぎます。
おすすめのタンパク質源
・鶏肉(もも肉・むね肉)
・卵(1日3個程度まで)
・魚(サーモン、イワシ)
・大豆製品(豆腐、納豆)
また、油は糖質に代わるエネルギー源として非常に重要です。特に糖質を控えると、身体は脂肪を燃焼してエネルギーを作り出す「ケトン体代謝」に切り替わります。この仕組みを活用することで、安定したエネルギー供給が可能になります。
しかし、必要な油がないと身体はエネルギーが不足するので、ダルさが増す場合があります。また、身体はエネルギー源を確保するために筋肉を分解するので、筋肉量が減少してしまいます。特にアスリートや成長期の人は気をつける必要があります。
油はオメガ3脂肪酸を豊富に含むものがよく、おすすめの食品は、サーモンやアボカド。油なら亜麻仁油、オリーブオイル、ココナッツオイル、MCTオイル。それに肉や魚に含まれる油もしっかり摂って問題ありません。一方で、トランス脂肪酸や精製されたサラダ油、古い油は健康に悪影響を及ぼすため避けるべきです。
今回学んだのは、糖質を上手に制限して「糖質疲労」を防ぎながら、「タンパク質」と「良質な油」を積極的に取り入れ、エネルギーを安定させるのが大切だということです。次回は、BLUE SIX調査員の体験レポート、「血糖値を上げにくい食事法」についてお送りします!
最後に具体的な食事内容を記しておきます。
• 朝食:ゆで卵2個、アボカド、オリーブオイルをかけたサラダ
• 昼食:グリルチキン、ほうれん草のソテー(ココナッツオイル使用)、玄米少量
• 夕食:サーモンのオーブン焼き、アボカドとトマトのサラダ、さつまいも少量
• おやつ:ナッツ類(アーモンド、くるみ)、ギリシャヨーグルト(無糖)
