Health Documentary:身体を変える、リアルストーリー
1月は「血糖値」の大切さについて学びました。血糖値が乱高下を起こす原因は「糖質」。2月は、糖が体に及ぼすメカニズムと、具体的な食事法についてレポートしていきます。
糖質と体のメカニズム
糖質はご飯やパン、パスタ、フルーツなどに含まれ、私たちの主要なエネルギー源の1つです。糖質を摂取すると血糖値が上昇し、体はこれを調整するために「インスリン」というホルモンを分泌します。しかし、糖質を摂りすぎるとインスリンが大量に分泌され、血糖値が急激に下がります。この「血糖値の乱高下」が、疲労感や眠気、集中力低下の原因となるのです。
フルーツ(果糖)は朝食に良いのか?
フルーツに含まれる果糖は、ブドウ糖(グルコース)と異なり、血糖値を直接的に上昇させることはありません。このため、「果糖は安全なのでは?」と思われがちですが、実はそうではありません。
果糖は、脂肪として蓄積されやすい性質があります。摂取しても満腹感が刺激されず、空腹感を促す「グレリン」というホルモンが増えるため、すぐに「まだ食べたい」と感じやすくなるのです。また、フルーツをジュースやスムージー状にすると、食物繊維が取り除かれ、果糖が急速に吸収され、さらに空腹感を引き起こします。
朝食にバナナやリンゴ、パイナップルをベースにしたスムージーを飲むと、一時的に元気になりますが、すぐに疲労感や空腹感を感じてしまいます。
血糖値を安定させる食事の選び方は?
糖質疲労を防ぐためには、血糖値を急激に上げない食品を選ぶことが重要です。具体的には、白米ではなく玄米、パンなら全粒粉パン、そして低糖質のフルーツ(ブルーベリーやラズベリー)がよいでしょう。また、食事の順番にも工夫が必要です。食物繊維が豊富な野菜を最初に食べ、その後タンパク質、最後に1回40g以内の炭水化物を摂ることで、糖質の吸収を穏やかにできます。
朝食のおすすめ例
・ゆで卵+アボカド+全粒粉トースト
・ギリシャヨーグルト+ブルーベリー+ナッツ
・玄米おにぎり+焼き魚+ほうれ草のソテー
フルーツが健康に良い、というわけではありません。むしろ、満腹感を感じにくく、脂肪を蓄積させやすかったのです。特に朝のスムージーやフルーツの摂りすぎには注意が必要です。糖質疲労を防ぐためには、低GI食品を中心に、タンパク質や良質な脂質をバランスよく摂ることがポイントです。
次回は、糖質に代わるエネルギー源「タンパク質」と「良質な油」がなぜ重要なのかを解説したいと思います。
