Vol.05

グアテマラから見つめる コーヒーの今とこれから Part2

小さな国土の中にある、多種多様な気候と土壌

グアテマラ産のコーヒー豆をユニークたらしめている 要素のひとつに「マイクロクライメイト(局所気候)」が ある。通常コーヒーの味わいは、豆の品種や栽培地の気 候や、栽培条件などに大きく影響を受けるものだが、グ アテマラは日本の3分の1程度の狭い国土の中に気候や 土壌がまったく異なるエリアがあり、だからこそ多様 性のあるコーヒーを生み出すことができるのだ。各エ リアによる違いは「グアテマラコーヒーゾーン」として、大きく8つのリージョンに分けられる。その代表的な地域をいくつか紹介してみたい。

グアテマラ高地に位置する「アンティグア」は、アグア、フエゴ、アカテナンゴの3火山に囲まれた渓谷地帯だ。 なかでも活火山であるフエゴはいつも頂上から煙を立ちのぼらせていて、灰が時おり空から降ってくる。この火山灰に豊富に含まれているのが、コーヒーの木の栄養となる窒素やリン酸、カリウムといったミネラル。日照量が多い乾いた気候だが、火山性の土壌には軽石が多く含まれているため、水はけを維持しながら適度な 水分も蓄えている。さらに山岳地帯特有の昼夜の寒暖 差が、コーヒー豆を硬く引き締めて内側に豊かな香り を閉じこめてくれるのだ。

アンティグアとはまったく異なる特徴を持つのが国内 に3つある非火山エリア。そのうち最も標高が高く、最 も乾燥した峡谷にあるのが、メキシコの国境に程近い「ウエウエテナンゴ」だ。

岩肌が見えるほどの非常に険 しい山岳地帯で、冬の朝は霜が降りる ほど冷寒になるが、メキシコのテワン テペク平原から温風が流れ込むおかげ で標高2000メートルの高地まで栽培を 可能にしている。このユニークな寒暖 差が良質なコーヒーチェリーの生産を 支えているのだ。また、切り立った地形 で平地が限られることから、深い山あ いや丘陵などあちこちに小規模コー ヒー農園が点在し、それぞれが異なる 気象条件の影響下に置かれる。

つまりどの生産者も農園の場所に合った独自 の栽培方法を取り入れる必要があり、同じウエウエテナンゴ産でも多種多様 な豆の個性が生み出されていく。 トップグレードのスペシャルティコー ヒーの場合、農園内のどの区画で栽培されたものかも評価の対象とされるほど、気候条件が与える影響は味わいに反映されるものだ。この2つの地域特性を知るだけでも、グアテマラ産のコーヒーがいかに可能性を内包しているか、垣間見えてくるのではないだろうか。

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