Vol.11

DIRECT TRADE その豆はなぜ選ばれるのか?

2021年、コロナがまだ世界中で暴れていた時に、南米、アフリカ、そしてベトナムへ、コーヒー豆を探す旅が始まりました

その理由について、僕が体験したリアルな話をしたいと思います

2016年、東京・中目黒に小さな工房を持つチョコレートショップを開業しました
“green bean to bar CHOCOLATE”とう、カカオ豆と砂糖だけで1枚のチョコレートを、最低でも1ヵ月以上かけて作り上げるお店です

開業前、最初に始めたのがカカオ豆を探すことでした。Bean to barで使うのは、ハイクオリティーのカカオ豆だけカカオ全体からえば5%以下のTop of top の豆だけを使用します

これがとても大変だったのです……

カカオは通常、カカオベルトと呼ばれる、いわゆる亜熱帯の地域に生息していますそこで僕は、南米はベネズエラから始まり、アフリカ、アジアと15ヵ国以上の評判の良い農園に出向き、豆のクオリティーや労働環境をチェックし、直接輸入することにトライしました

一番遠い農園は、南米ボリビアのジャングの中にあり、日本からは4日かかるんです
ペルーにある、素晴らしいカカオ豆を栽培する農園に行った時のことです。農園の生活があまりにも貧しいので、農園から我々のまで、いくつの業者が携わっているのかを確かめてみました

なんと、そこには "14" の業者が入っていたのです

僕らは、豆を発酵させ乾燥させた状態で出荷する発酵場に協力を仰ぎ、仲介業者を入れずに、直接契約したいと交渉したのです
取次だけで14あったものが、農園、発酵場、運送会社の3つになり、農園の収入は大きく増えたのです


これを、「ダイレクトトレード」といます
しかも、中抜きしていた業者の多くは、フェアトレードを謳っていました
これは、ほんの一部の小さな出来事ですが、フェアトレードマークが付いていれば安心、とわけにはかないのです

これ以外にも、カカオのクオリティを上げようとボリビアで研究所を作り、PJ(プロジェクト) に取り組んでいた最中、1人の男性がPJのお金を持ったまま行方不明に、なんてことも

電気もガスもない地域なので、銀行もありません。誰か信用出来そうな人にCashを預けていくしかかったのです

発展途上国の厳しい現実はたくさん見てきているので、これまでの経験を、コーヒービジネスに生かさなければいけません
なにしろコーヒー農園は、カカオ農園すぐ隣にあるのだから

これが、BLUE SIX COFFEEがダイレクトトレードを行うと決めた理由です

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