Vol.03

「コーヒーは体にいいのか?」の真実 Part 2

「もうひとつ、4因子のひとつ『環境』という点でコーヒーを捉えると、カビ毒の問題が見えてきます。カビ毒とは、カビの二次代謝産物として産生される毒の総称のこと。もともとコーヒーはカビ毒の影響を受けやすく、特に注意したいのはオクラトキシンとアフラトキシンというカビ毒です。怖いのは、これらのカビ毒が脳へ回ってしまうということ。本来、脳は血液脳関門というバリアで守られており、多くの化学物質は脳へ入ることができません。しかしカフェインは分子量が低いため、このバリアを突破してしまうのです。カビ毒が脳に達すると、ブレインフォグといって頭のなかにもやがかかったようにぼんやりした状態になります」

これらのカビ毒は一旦体内に入るとなかなか消えない。特にオクラトキシンは半減期が853時間にも及ぶため、一度口にすれば1か月以上も体内にとどまり、毒素を放出し続ける。

「体質的にコーヒーが合わない人は一体どうしたら良いかというと、解決策は2つあります。一つ目は、グルタチオンやビタミンCなど抗酸化のあるものを摂取すること。二つ目は、カビ毒の影響が少ないコーヒーを選ぶこと。また、CYP1A2はアルコールの代謝にも関係するため、たとえば『お酒を飲むと二日酔いになりやすい』という人は、もともとCYP1A2の働きが弱い可能性があります。その場合にはコーヒーの摂取量を抑え、上質のものを少量取るというスタイルに変えることをおすすめします」

 そのほか、「食品中のグルタミン酸ナトリウムで気分が悪くなる」「タバコの煙で気分が悪くなる」などに当てはまる人も、遺伝的に肝臓の解毒機能が弱い可能性があるため、コーヒーの摂取には注意が必要だ。

「しかし、コーヒーにはアロマによるリラックス効果をはじめ、さまざまなメリットもあります。カフェインやコーヒー酸など一つ一つの成分を見るのではなく、コーヒーという食品全体を俯瞰し、自分に合うかどうか検討すべき。そもそも機能性医学は臓器を一つ一つ見るのではなく、人間を一つの生命体として見るという特徴を持っています。そのような考え方はコーヒーでも人間でも同じこと。自分の体を探究し、自分に合ったコーヒーを追求するのも、一つの楽しみだと思います」

三輪 桜子 Sakurako Miwa

東海大学医学部、慶應義塾大学医学部麻酔学教室入局。北里研究所病院、慶應義塾大学病院、都立小児総合医療センター、埼玉メディカルセンターなどを経て20214月渋谷ルコラコクリニック開院。2024年*月神宮前統合医療クリニック開院。

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